令和7年度3月に新園舎が完成しました
信証幼稚園訪問記
エデュケーショナル・エッセイストの長谷良一氏が2025年3月に当園を訪問され、素敵なエッセイを寄稿してくださいました。
信証幼稚園の新園舎には 「のびのび」「いきいき」と育つ秘密が隠れていた。
「のびのび」育つとはどういうことなのか。新園舎の中に入って説明を聞くうちにわかってきた。
危険を感じないことが「のびのび」につながる
ドアの取っ手はかなり高いところにあり、園児が一人で外に飛び出さないようになっている。エレベーターのボタンは高いところにある解除ボタンを押さないと作動しない。外へとつながる窓は開けるとストッパーが降りてきて、手を挟まないようになっている。折れ戸に手を挟まないように隙間にはカバーが付いている。階段のステップにはしっかりとした滑り止めがついており、滑って転ぶことはまずない。階段の手すりは両側についている。
子供が動きたいように動き、遊びたいように遊んでも危険がないのだ。大人と違って小さなこどもは危険がいっぱいだ。それを意識しないですむことが「のびのび」につながるのだろう。これは見守る先生方にも言える。転ばないか、手を挟まないかそんなことばかり考えていたらおおらかな指導はできない。なるほど危険が少ないことは「のびのびにつながりそうだ。
園庭には植えられたばかりの若木が十数本ある。これはなんとリレーのように花が咲くように植えられているという。季節ごとに次々に花が咲くという構図だ。園児たちは自然に季節を感じることになる。季節は知るものではなく感ずるものという同園の想いが表れている。
梅→桜(エドヒガン・ソメイヨシノ)→ハナカイドウ→ハナミヅキ→オガタマヤマブキ→ドウダンツツジ
梅→桜(エドヒガン・ソメイヨシノ)→ハナカイドウ→ハナミヅキ→オガタマヤマブキ→ドウダンツツジ
→タラヨウ→山紫陽花→ムクゲ→サルスベリ→ウバメガシ(どんぐり)→イロハモミジ→銀木犀→南天→ロウバイ
茶道でも「いきいき」
倉庫に茶道具が所狭しとしまわれていた。同園では定期的にお茶の授業がある。普段「のびのび」している分、型どおりにできた時、子どもたちはとても「いきいき」とする。
この他、アスレチックができる遊具があったり、雨の日に園バスから降りてもピロティの屋根でぬれずに園内に入れたり、外遊びの後は温水シャワーが使えたり様々な工夫があった。
この日は土曜日のため園児たちはいなかったが、クスノキに見守られ、明るい園舎で「のびのび」「いきいき」と遊びまわる姿が目に浮かぶ。